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まだ多忙に苦しんでいます・・・
まだまだ多忙で、疲れ果ててしまいました。
帰って来て郵便局に行ったら時間外になっていて、お金を送りたくても送れず、このままでは来週になってしまいそう・・・。
ところで、この多忙は家の片づけが加わってもう大変な状態になっている。
祖父母が九州から引っ越してきて、荷物がいくつか着いたため、それを片づけること(私が九州に残していた本箱などで、祖父母のものではないのだから、自業自得と言うべきか・・・)と、レーザー・プリンターを導入したこととその設置などがあったから。
レーザー・プリンターと言ってもブラザーのコピー付きのもので、安かったから買ったまでだが、来て早々動かないという事態に、帰ってきてからしばらくバタバタさせられてしまった。ブラザーのサービスに電話して色々やってみていて、紙送りのローラーが外れていたことが判明。それを直すと快調に動き始める。
原稿をプリントしたところ、もの凄く早い。一分で20枚というのは嘘ではない。今までプリント待ちで、オセロなどのゲームをやって待っていたものだが、これからはそういう無駄が無くなる。4枚ほどやってみたが、あっという間に出てきた。ちょっと感動。
コピーもスコアで試してみたがA-4までというのはちと辛いが、それ以外は全く問題なし。学生にわたす資料もこれで簡単にできるし、大分楽になった。
昨日はバークシャーに注文していたCDがやって来た。バッハのオルガン全集(シュトックマイヤーの演奏)がたった3000円ほどだった。20枚組なのに・・・。アウトレットでもこれは嬉しい!!他にもアッカーマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のベートーヴェンの交響曲など大量に購入してしまった。あそこは安いので買いすぎてしまうのが難点だ。
その内試聴してレビューを書きます。ではでは
by Schweizer_Musik | 2005-11-25 18:00 | 日々の出来事
超多忙につき、しばらく休んでいます
超多忙につき、しばらく休んでいます。
再開まで、今しばらくお待ち下さいますよう、お願い申し上げます。
来週の土曜日くらいに再開の予定です。
by Schweizer_Musik | 2005-11-20 08:15 | 日々の出来事
カンサス州で、進化論に疑い
アメリカのカンサス州で、進化論に疑いがあるということを、公教育で実施することになるそうだ。曰く「宇宙は複雑であり、より高度な力が加えられて創造された」とするもので、神が創造したものということを公教育で行う余地を作り出すことになり、宗教右派が大喜びしているらしい。
一時は、世界中の嘲笑の的となり、頓挫したはずなのだが、再びどこからか出てきて民主主義でこれが入り込んだようだ。

個人の信仰の問題は、誰にも犯されてはならない。科学と宗教を混同してはいけない。神が存在するかどうかを民主主義で決めるのは更にばかげている。そんなことをすれば人類は遙か昔に滅びることとなっていただろう。
多数決が科学を決めるとしたら、それは科学ではない。科学は真実によってのみ決定するのだ。アメリカにはまだ世界は平面であると信じている大地平面協会があるそうだ。いやはや・・・。
世界一知識・文化の遅れた国、アメリカ・カンサス州ということで、これから有名になることだろう。ああこういうレベルなのですね・・・。

久しぶりにアメリカさんに笑わせて頂きました。がんばれカンサス州。もっと物笑いの種を供給してほしいものだ。
ニュース・ソースには「ID(インテリジェント・デザイン)の考え方を教える機会を増やすよう求める圧力が強まるのを懸念する教育関係者もいる。」とまじめにコメントしているが、こんなにまじめにコメントするような話ではない。

私は宗教は心のあり方だと思っている。また私は無神論者ではないが、宗教を深く理解しているわけでもない。(どちらの神を拝んでいるんですか?という問いに、「仏教です」と答えることに一応しているのだが…)
宗教や神学を否定するだけでは物事は解決しないが(心の問題であるので)科学を否定して正しい知識が得られるとは考えられない。私たち人類はすでにナチスの人類学者による恐ろしい人種理論によって、多くの人々を無惨にも殺戮するという過ちを犯しているのだ。あの間違った理論を、人々が受け入れた事実を忘れてはならない。
上手なプロパガンダが背景にあったとはいえ、ナチスはドイツ国民が「民主主義」によって選んだ政権なのだ。この重い事実をアメリカで「創造論」をふりかざす「民主主義者」は知るべきだ。誤った科学がもたらした大きな悲劇を。

なお、アメリカ人の名誉のために申し添えておきたい。
このばかげた「創造論を進化論と同じ時間教えなくてはならない」という法律が一部の州で成立していたそうだが、合衆国はこれを違憲として葬り去っている。極めて当然の措置である。宗教を信じるのは良いが、それを科学だと誤解して人に押しつけることは、明らかに過ちであるはずだ。

進化論を巡る、この危険な思想について詳しく解説されているページです。
進化論と創造論〜科学と疑似科学の違い〜
by Schweizer_Musik | 2005-11-09 21:32 | 日々の出来事
先日のNHKの世界美術館紀行が再放送!
明日の早朝、総合テレビで先日の世界美術館紀行が再放送されるようです。朝5時15分という時間ですので、ちょっと辛い時間帯ですが、先日見逃された方はビデオの予約をお勧めします。
ああいう良い番組はなかなかないと思います。
by Schweizer_Musik | 2005-11-09 20:06 | 日々の出来事
世界の車窓から…
一昨日は、アイガー・グレッチャー駅だった。訳すとアイガー氷河駅。何しろ目の前に大きな氷河がある。この路線はアイガー・ヴァント(訳すとアイガー岩壁)駅などのトンネルの中の話ばかりに話題が行ってしまうが、このアイガー・グレッチャー駅にもっと焦点があてられて良いはずだ。ここからクライネ・シャイデッグまでのハイキングは氷河を隣にした素晴らしいコースであるのに、鉄道ばかり・・・。駅のレストランも凄いロケーションなのに・・・。
ヨッホに行くだけではないと思うが、番組はもちろんヨッホへ。
昨日はアイガー・ヴァントだった。アイス・メーアはとばすのかな。いずれにせよ今日はヨッホである。いつぞや、ベルン響のコンバスのご一家とお会いした後に登ったユングフラウは大雨だった。そのときは、ユングフラウでも雨が降るのだと驚いたものだった。
その他に登った時は(もちろん自分の足で登ったわけではない。高い料金を払って鉄道で行ったのだ)いつも晴れていた。晴れていたから登ったと言う方が正しい。雨で登った時は、日本から来た友人たちがこの日しか滞在できないということで行ったから。
本当に何も見えないユングフラウだったが、日本人ばかりのユングフラウでもあった。ちょっと気の毒だったが、番組では晴れているようだ。今日の夜が楽しみだ。
by Schweizer_Musik | 2005-11-08 08:55 | 日々の出来事
マルタン、ピアノ協奏曲全集 ベンダ(pf) バドゥラ=スコダ(pf) *****(特薦)
実に興味深い一枚。ほとんど日本では紹介されないまま、消え去ろうとしているのは残念だ。
セバスティアン・ベンダとその息子クリスティアン・ベンダはチェコの18世紀の大作曲家の家系に属するそうだ。セバスティアン・ベンダはスイスに長く住み、マルタンやオネゲルといったスイスの作曲家と親交を結び、マルタンのピアノ曲全集や作曲者の指揮で録音したピアノと管弦楽のためのバラードなどが特に印象に残っている。
そのセバスティアンが録音したバラード、ピアノ協奏曲第1番に、これまた作曲者との親しい間柄であったというバドゥラ=スコダが、確か30年ほど前に作曲者の指揮で録音したピアノ協奏曲第2番(これはスコダが委嘱したものでもちろん初演もスコダ)を再び録音したことは、大いに話題になって良いはずだ。
セバスティアン・ベンダとスコダが共演した「二台のピアノと小管弦楽のための恐怖の舞曲」は私ははじめて聞くが、これはディヌ・リパッティとその妻、マドレーヌ・リパッティによって初演されたものだという。マルタンが第二次世界大戦中に書いたアルノルト・シェーンベルクなどの12音音楽の手法を用いて書かれた二台のピアノのための作品に管弦楽を加えたものであるようだ。
指揮するのは、セバスティアン・ベンダの息子クリスティアン・ベンダ。ナクソスにカッセラの作品集があるが、その時と同じスイス・イタリア語放送管弦楽団を指揮している。
演奏はどれも誠に素晴らしいものだ。バラードはかつての録音に比べると洗練の度合いが更に増しているようだ。オケがまた上手い。私は津田理子さんが夫のシュヴァイツェル氏と録音した幻想的な演奏を好んで聞いているが(Jecklin/JS-285-2)、ベンダの演奏はそれよりも速めのテンポで骨太な印象が強い。世評の高いロデリック・エルムスのピアノ、バーメルト指揮ロンドン・フィルの演奏(CHANDOS/Chan 9380)もこれに近いが、よりメリハリが効いていて初めて聞くにはこれが良いのかも知れない。オケもさすがに優秀だ。ベンダの作曲者との録音は私はDVDで持っているが、この高額な全集以外に聞くのは難しいかも知れない。とすれば、この録音の価値は高いと言わざるを得ない。
第1番は、CDでは私はこれしか持っていないが、ベンダの演奏は全く力強いもので、この一枚で十分ではないかとも思ってしまう。1933年。まだ初期のスタイルを多少残したマルタンのこの作品は、実にファンタジック。私は初めて聞いたのも確かこのベンダではなかったかと思うが、オケもこの録音でのスイス・イタリア語放送管弦楽団は全く素晴らしい。冒頭の木管の絡み合いも、なかなか聞かせる。弦がやや薄く感じさせられるのは仕方ないが、決して音が痩せているわけではない。
初演は確かアンセルメの指揮でヴァルター・ギーゼキングがピアノを弾いたものだったと記憶しているが、これが録音されて残っていないものだろうか?一度聞いてみたいものだと思い続けているが、作曲者とも親交深いベンダの録音が残されたことは、誠に素晴らしいことだ。この曲がもっと演奏されないものだろうか。フランスの印象派から抜け出してきた新古典主義といった感じで、私は大変好きな曲でもある。ラヴェルのジャズの影響深い2曲の協奏曲の印象が強すぎて、この時代のピアノ協奏曲はどうも不利なようだが、隠れた名曲としてもう少しリバイバルしても良いのではないだろうか。
ティンパニーのソロで始まる第2番は、スコダの衰えをちょっと感じさせられてしまうのは悲しい。クリスティアンも合わせにくそうだ。彼は以前にもちょっと聞いた時にかなりテクニックに衰えが来ているという印象を持ったが、この録音でもその印象はぬぐえなかった。とは言え、委嘱した本人の録音である。作曲者との録音とほぼ同じ内容で演奏している。ただ、これは旧盤の方(Jeclin/JD 632-2)により高い価値があると言えよう。
二台のピアノと小管弦楽のための恐怖の舞曲 (1968-69)は、パウル・バドゥラ=スコダとセバスティアン・ベンダが共演しての録音である。12音音楽であるそうだが、私はジャズの要素を取り入れたもので12音の部分はかなり自由に扱っているように思われた。一般的な12音の音楽とずいぶん違うからだ。解説の12音というのは本当だろうか?それよりもジャズを大胆に取り入れた新古典主義の見事な小品(と言っても13分ほどもかかるが)と言うべきだろう。大変面白い作品だと思った。マルタンの曲の中でもかなり感覚的な面白さが追求されたものという印象を持った。
この意義深い録音は、スコダの第2番に多少問題はあるとは言え、歴史的な意義を持っている。その他は十分に推薦に値するし、歴史的意義を加えて特薦にする。
近代音楽に関心のある方は、ぜひ一聴をお薦めしたい。

ASV/CD DCA 1082
by Schweizer_Musik | 2005-11-08 08:41 | CD試聴記
本田美奈子 アヴェ・マリア ****(推薦)
本田美奈子さんが亡くなられた。素晴らしい歌手だった。クラシック、ポピュラーの枠など関係なく美しかった。「アヴェ・マリア」というアルバムが彼女のクラシック系の音楽を録音した最初のアルバムだったと思う。井上鑑氏のアレンジによるそれは、私の好みとは違う。シンセサイザーのバックが主張しすぎているように思われるからだが、それを押しのけて彼女の存在感は素晴らしいものがある。
もともと、ミュージカル歌手として「ミス・サイゴン」などで高い評価を得ていた彼女だけに、タイトル曲であるカッチーニの「アヴェ・マリア」で聞かせる息の長いフレーズには強い説得力を感じさせられた。アバンギャルドなバックは少々煩わしいが・・・。
プッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」の中でラウレッタの歌う「私のお父さん」は岩谷時子さんの作詞のようで(ダウンロードなので作者も何もわからん・・・これはなんとかしてもらいたいものだ!)あるが、原詩とは関係ないようだ。甘い雰囲気はよくだしているが、日本語で歌われるとちょっと興ざめなのは、イタリア語の「オー・ビオ・バンビーノ」が耳に染み付いてしまっているからか。
サラ・ブライトマンの歌ったタイム・トゥー・セイ・グッバイは英語で歌っている。サルトリの書いたこのメロディーを一時は聞かない日、テレビやラジオで流れていない日はなかったほどだ。おかげで、サラ・ブライトマンの歌は耳にこびりついて離れない。彼女の歌に比べると本田美奈子の歌は更に線が細い。しかし、こんなタイム・トゥー・セイ・グッバイも良いと思う。アレンジは少々野暮ったい。井上鑑氏は少し力が入りすぎているみたいに思う。
ギター一本を中心にしたドビュッシーの「美しい夕暮れ」は、昔バーバラ・ストライザンドが歌ったもの以来の出来だ。歌詞はブルージェの原詩とあまり関わりがなさそうだが・・・。私はできればフランス語で聞きたかった。このメロディーには明らかにフランス語が響きとして合っているのだ。日本語では少々固すぎるように思われる。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は木管を中心としたアンサンブルを想定した伴奏で、ユニーク。弦楽を使いたくなるだろうに・・・。息のもの凄く長い、歌としてはとても無理なほどのフレーズなのに、彼女は全く見事に歌いきっている。最後はちょっと辛そうに聞こえてしまうが、これは大健闘と言ってよい。ポピュラーだけを歌ってきた人にこの曲はかなり酷であったはずだ。
したがって、グリーンスリーヴスは余裕で歌っているように聞こえる。ギターなどの減衰音系のアンサンブルでエキゾチックなサウンドを醸し出しているあたりも好感を持った。
ジュピターは平原綾香とは全く違う。あえて言えば本田美奈子のジュピターはポピュラー音楽としては直球だと思う。伴奏も含めてそう感じさせられる。平原綾香は変化球だ。そのユニークさ故に多くの人の印象に残った。とても良いアイデアだったと思う。本田の方が少し真っ直ぐすぎたか・・・。
ヘンデルのオペラ「リナルド」の中の「私を泣かしてください」は原曲のイメージに比較的近い弦楽のアレンジとなっているが、クラシック音楽のそれとは大分違う弦の感触にちょっととまどう人も多いかもしれない。しかし、カッチーニと言い、このヘンデルと言い、ちょっとひねった選曲は素晴らしい。
フォーレのシチリアーノは箏が使われていて、これがなかなかエキゾチックで良い。また、フルート演奏で知られるこの曲を歌でやろうとは思わなかった。なかなか良いアイデアだ。
「ニュー・シネマ・パラダイス」もこうして日本語の歌で聞くとは思っていなかっただけに、新鮮に思われたし、格調も高く、良いアレンジだし本田の歌も素晴らしい。ただ歌詞が聞き取りにくいところがある。発声がクラシック風(ベル・カントに近い均等な発音)になればなるほど日本語が聞き取りにくくなるというジレンマに彼女もひっかかっているようだ。クラシック風の発声で歌うポピュラー・ナンバーが何故あれほど聞きにくいかは、日本語の発音の特徴と関係している。
私は究極のところ、日本語で歌うのであれば美空ひばりが一つの理想像だったように考えている。スタイルの問題は色々あるが、彼女ほど日本語が美しく聞こえた歌手はいない。
さて、本田美奈子に戻ろう。マスネのタイスの瞑想曲である。とんでもない音域の広さを一人の歌い手がどう処理するのだろうと、興味本位で聞き始めて引き込まれてしまった。オクターブを実に上手く、自然に変化させて処理している。なるほど!勉強になりました!!
アメイジング・グレイスは私には選曲ミスと思われた。この歌が潜在的に要求しているスケールの大きさを本田美奈子の線の細い歌に要求すること自体が無理だ。無いものねだりをしているように思われてならなかった。抒情的にアレンジすればするほど、ゴスペルの深い祈りからかけ離れていくようで、この曲は私の愛聴盤になりそうもない。
最後のベラ・ノッテは、ペギー・リー&ソニー・バークの作った映画「わんわん物語」の中に挿入歌。ピアノだけの伴奏となっているのが良い。本田美奈子の歌が、本格的な存在感をもっているだけに、伴奏が饒舌である必要がなく、かえって饒舌すぎで本田の歌の良さを消してしまっているようなところがあるからだ。

しかし、この歌声も永遠に消えてしまったとは、あまりに惜しい人を亡くしたものだ。合掌。

iTuneでダウンロードしたもの。
by Schweizer_Musik | 2005-11-07 01:14 | CD試聴記
本田美奈子が亡くなった・・・
本田美奈子が亡くなったそうだ。なんと・・・。前に書いたこともあるが、これからというところだったのに、無念であったろう。彼女のファンというわけではないが、彼女がクラシック音楽を歌って新しい世界を作ったことは、大変大きな出来事だった。和製バーブラ・ストライザンドだと私は思っていた。まだそうでなかったとしてもきっと彼女ならなれると。
バーブラ・ストライザンドがドビュッシーの「美しい夕暮れ」などを歌った時の衝撃にはまだまだであったとしても、着実にそれに近づいていたと思う。今は心から冥福を祈りたい。

ヤフーの記事本田美奈子さん死去 ミュージカルなどで活躍
by Schweizer_Musik | 2005-11-06 23:07 | 音楽時事
佐渡裕の下、兵庫芸術文化センター管弦楽団が設立
かなり旧聞に属するが、10月23日付の神戸新聞の社説で、大分前から計画されていた兵庫県立芸術文化センターが開館したことについて書かれていた。
構想から十数年。この間には、箱物行政が地方に立派であっても滅多に借りる人もいない、ただの赤字垂れ流しのホールをたくさん造ったことで、世論の批判にさらされた。県立芸術文化センターの新しいホールも、オーケストラやオペラにも対応した二千席の大ホール、演劇主体の中ホール、自然光を採り入れた小ホールという3つの立派なホールがあると言う。ただ、ホールを作っただけでなく、ここのユニーク(東京ではそうした例はいくつかあるが)ホール専属のオーケストラが同時に設立された点である。
オーディションによって半分が外国人という兵庫芸術文化センター管弦楽団が設立され、ここをホームグランドとして活動をはじめるのだそうだ。このため、佐渡裕氏を芸術監督に、演劇では芸術顧問に劇作家の山崎正和氏を迎えたという。

昔、大阪センチュリーが出来たとき、大阪フィルなどから優秀な団員の引き抜きがあったとかなかったとか、随分話題になったものだ。それがどうとか言う気はないが、今回は外国人が多いということで、周辺のオーケストラとの摩擦は比較的少なかったことだろう。オーケストラ設立で一流の奏者を確保することは、まず第1に行わなくてはならない仕事だと思う。とは言え、そういう奏者はすでにどこかのオーケストラの在籍していて、フリーの人があふれているわけではない。フリーでソリストとしてやっている人が、そのままオーケストラに向いているわけではないし、コンマスとなると更に難しい。
コンマスは朝枝信彦氏、四方恭子氏、豊嶋泰嗣氏が就任している。凄いメンバーだ。ソリストとしても活躍している彼らがコンマスということは、このちょっと堅苦しい名前を持つオーケストラがいかに本気で設立されたかわかる。団員は35才以下の若手で最長三年間という在籍で世界の一流を目指すなどとHPに書かれてあるが、それはどうかと思う。教育的な目的と一流オケというのは両方得られれば素晴らしいことだが、大変難しいことだと思うからだ。
しかし、私はこのオーケストラに大いに期待したいと思う。先日佐渡裕の指揮する第九で門出をしたそうで、その演奏をおさめたDVDも発売されるそうだ。ちょっと聞いてみたいとも思う。

オーケストラやホール事業をどう軌道にのせていくか、佐渡裕をはじめとする方々の手腕に期待したいと思う。佐渡裕氏は、故郷に錦を飾ったことにもなり、きっと張り切っておられるのではないだろうか。関西ではセンチュリー・オーケストラ以来の新しいオケである。関西は文化後進国みたいに言われてどうも悔しい思いをすることが多く、多少こうしたことで溜飲を下げたいところはある。(関西出身なので・・・)ただ、オーケストラ活動で黒字を出すことは至難の業であることも事実である。だから、運営にあたる兵庫県も、すぐさま成果を期待したりせず、長い目で育てていってほしいと思う。文化とは十年、二十年、更に百年単位で育つものなのだ。神戸フィルなどあるとは言え、新しいオーケストラが西宮の町に誕生したことを心から喜びたい。
by Schweizer_Musik | 2005-11-05 09:32 | 音楽時事
ヴィンタートゥーア、世界美術館紀行でとりあげられる
昨日の夜、ヴィンタートゥーアのオスカー・ラインハルトのレーマーホルツ美術館が世界美術館紀行(NHK教育)でとりあげられた。前にバーゼル美術館が取り上げられて、私は絶賛を捧げた。今回もラインハルトの生涯と彼の美術への情熱に焦点をあてた、極めて深い内容で興味深く見た。
今年の春、ヴィンタートゥーアに出かけた。二度ほどヴィンタートゥーアに出かけ、一度はN島君と、一度は一人で駅に降り立った。
実は、何度か行っているのだが、今年の訪問が一番ヴィンタートゥーアでの滞在時間が長かったのだ。
懐かしい風景と共に、ああ、もう少し時間があれば絶対行ったのだがと、後悔ばかりしていた。あの美術館の所蔵品は美術館から出たことがないのだ。それはオスカー・ラインハルトがヴィンタートゥーアから動かさないことを条件に市に寄贈したことによる。だからあそこに行かないと出会えない作品ばかりだということになる。
やっぱり行っておくべきだった。この番組を見て、つくづくそう思わされた。オスカー・ラインハルト美術館も追記のような形で触れられていたが、その隣を私は歩いていたのに・・・。
美術館巡りのバス観光のコースも確かあったはずで、レーマーホルツは市内から歩いていくにはちょっと無理。しかし、時間をかけても行く価値は高い。
ラインハルトの兄弟でヴェルナー・ラインハルトは音楽の世界では有名なパトロンだった。ウェーベルンの管弦楽のための変奏曲は彼が援助してヴィンタートゥーアで初演された。当時、オーストリアの中ではウェーベルンは作曲家としての地位もなにもなかった。スイスのパウル・ザッヒャーに援助を申し出ていたのだが、パウル・ザッヒャーはドデカフォニーに全く興味がなくこれを拒否。後にブーレーズなどの影響で立場を変えたのだが、その頃にはウェーベルンはすでにアメリカ兵に射殺されて帰らぬ人となっていた。ちなみにこのアメリカ兵は何のおとがめも無かった。外に出て煙草を吸うためにつけた火を狙って撃ったらしいのだが、どう考えても過剰な判断だった。その一発が、音楽の至宝を奪った。戦争とはそんなものなのだ。
ラインハルトについては今書いている本の中で触れてみた。音楽界で彼はあまりに無視され過ぎている感じがする。パウル・ザッヒャーと同じように扱われてしかるべきだと思うのだが・・・。こちらはウェルナー・ラインハルトの方。

芸術の町、ヴィンタートゥーアにTV番組に、懐かしさと強い憧れを感じさせられた25分だった。この充実感はバラエティー番組からは得られない。
by Schweizer_Musik | 2005-11-05 08:23 | 日々の出来事