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(続) 年末は忙しい・・・
クレンペラーのベートーヴェン交響曲全曲コンサートを見終えたところ。クラシカ・ジャパンの再放送であるが、前回ビデオにとりそこねてしまったので、今回は厳重に予約しておいた。ハード・ディスクに録画してDVDにするというパターンであるが、文明の利器である。さすがだ・・・。
しかし、クレンペラーはもう何かあの世から指揮しているような雰囲気であった。身体は動かず、かなりの無理をしているようだが、演奏の素晴らしいことと言ったらもう言葉を失う。ニュー・フィルハーモニア管弦楽団は充実した響きでクレンペラーのささやかな動きに見事に反応していく。長年にわたって一緒にやってきているからできる技なのだろう。凄い!!
音楽は?これを神業を言わずして何と言うのだ!!第一番から第九番まで、聞く者の気持ちを全く逸らさないこの演奏はやはり世紀の名演であると私は思う。
こうした映像が残されたこと、そしてそれがこうして放映され、私たちが身近に見聞きできることに感謝せざるを得ない。良い年末となった。
テレビでは続いて若いクライバーの「こうもり」序曲のリハーサル風景を放映している。この天才の素晴らしい音楽にふれながら、今朝見たバイエルン国立歌劇場でのばらの騎士の演奏を思い出していた。20年後の演奏の昨夜見たが、どちらも素晴らしいものだった。オットー・シェンクの演出はオーソドックスであるが、微妙にウィーンとミュンヘンでは違うが、やはり一番違うのは元帥夫人だ。ギネス・ジョーンズの元帥夫人の美しいこと!!シュヴァルツコップのあの名演を凌ぐとも私には思われる。美しく、また官能的で、それでいて気品を失わず・・・。若い恋人たちの前に引き下がらざるを得ないはかなさを演じきったジョーンズは、そこに深い余韻を感じさせる。
参りました・・・。ポップやファスベンファーの艶姿もオックス男爵の道化もここまで完璧に決まっていると気持ちが良い。
年末は忙しかった・・・。すみません、原稿が全く進みませんでした。

一年間、色々とお世話になりました。
皆様にとりまして、来る2006年が幸多き年になりますよう、心からお祈り申し上げます。
by Schweizer_Musik | 2005-12-31 21:06 | 日々の出来事
年末は忙しい!!
カルロス・クライバーの二つの「薔薇の騎士」の演奏が一挙に放映される。今、1994年の演奏が放映されているが、フェリシティ・ロットの元帥夫人が美しく、なかなかに見せてくれるが、豪華な出演者をさておいて、指揮者が主役だと感じさせるのは、全くもって恐ろしいほどの存在感である。もちろんウィーン国立歌劇場のオケの素晴らしさは言うまでもない。
続いての放映である「こうもり」は今月だけでももう何度目かの放映で、私もすでにビデオで録画してあるが、ヴェヒターなどの演技、歌唱の素晴らしさにも増して、バイエルン国立歌劇場のオーケストラを指揮するクライバーの圧倒的な存在感は一体何なのだと思わせられてしまうものだった。
明け方には「カルメン」の放映があるが、これも今年何度目かの放映で、私は何度も見ているが、今回はビデオに撮っておこうと、予約している。
そして明日の朝は最初の「薔薇の騎士」(ギネス・ジョーンズが元帥夫人をやっている方)が放映だ。そして午後はクレンペラーのベートーヴェンの交響曲全集の放映。これも何度目かで私も見ているが、ほとんど動かないクレンペラーの指揮と、圧倒的な演奏とのギャップがもの凄いものだった。
年末は忙しい・・・。何がだ?と家族から追求されてしまいそうだ。
by Schweizer_Musik | 2005-12-31 00:36 | 日々の出来事
バーンスタインのベートーヴェン
朝からバタバタしていて、ようやく落ち着いて仕事にかかる。
テレビではバーンスタインが話をしている。ベートーヴェンの交響曲について彼の解説つきでウィーン・フィルを振った演奏がスカパー!で放映される。これから夜まで、延々と全曲やるのだ。
何年か前なら、考えられない快挙だ。NHK教育テレビで土曜、日曜の夜の番組くらいしかなかったのだから・・・。ウィーン楽友協会のホールでのライブである。1970年代ということで、いささか古いものではあるが、それだけに若々しい彼の演奏にふれることができる。
レコードで同時期の録音が出ていたが、確かレコード・アカデミー賞をとっていたはずだ。CD化されて今でも売られている。私としては、若い頃、ニューヨーク・フィルハーモニックを振った録音に深い愛着があり、あの弾むようなリズムとダイナミズムは大変魅力的だった。ウィーン・フィルとの録音はいささかそうした面が薄まっているように感じられて、レコードは持っていたが、CD化されたものを何故か買いそびれたままになっていた。ベートーヴェンの交響曲を集めているほけではないのだが、いつの間にか集まってしまい、今では第九だけでも60種類以上になる。もういらないと思い始めて買いそびれたようだ。
しかし、いま第一番のはち切れるようなテンポと伝統的なウィーンの響きがマッチした演奏を聞きながら(見ながら)こんな名演をずっと聞き逃していたことに愕然としている。
今日の仕事はバーンスタインと一緒に進めることにした。なんと豪華なのだろう。
by Schweizer_Musik | 2005-12-29 13:15 | 原稿書きの合間に
レコード・アカデミー賞に思う
もう一年半も経ってしまったのかと思うが、全く亡くなったとは思えないのがカルロス・クライバーだ。そのクライバーの「こうもり」をスカパー!でやっていたので、DVDにして今見ていた。こうしたことが簡単にできるようになったのは、我が家にHD&DVDビデオデッキがやって来たおかげだ。使いながら技術の進歩に感謝しつつ、これをビデオで買っていたのかと思いながら、ソフト・メーカーが厳しいのも当たり前だと思い始めている。
今年のレコード・アカデミー賞を見ても、本当に時代の変化を感じずにはいられない。今年ほど何がアカデミー賞に入るのだろうと興味を持たなかった年はなかった。というより、昨日まで私はすっかり忘れていた。何かでそのことを思い出し、ネットで調べた次第だ。レコ芸を買わなくなってもう何ヶ月?買わないというだけで、心が離れるのも早い。
フィッシャー=ディースカウがシュトラウスのイノック・アーデンを出していたが、あれが入賞していたのはちょっと昔なら考えられなかったもの。ディスカウの朗読にブルクハルト・ケーリングのピアノ・ソロという作品である。このスタイルの作品はあまり馴染みがないのだから、面白い選出と思った反面、これをどれだけ多くの人が楽しめるかどうか・・・。ディスカウという名前が無ければ選ばれていなかったのではないだろうか?ブーレーズのバルトークのピアノ協奏曲全曲、ギドン・クレメルのバッハの無伴奏など、かつての巨匠というか常連が目立つ中で、マーカルのマーラーとアントニ・ヴィトのペンデレツキのポーランド・ミサは新しいものとして注目に値する。シューベルトの歌曲で新興の廉価盤レーベルが選ばれたりしていたが、ついにナクソスのペンデレツキ・シリーズも選ばれる時代となった。いや、他にも色々私なら推したいものがあるが、この選択も悪くないと思った。
また、グルックの歌劇「パリーデとエレーナ」という、あまり知られていない歌劇が選ばれているのもとても面白いものだった。というよりも、ろくな新譜が無かったのだから、こういう選択しかなかったのかも知れない。
昔の名盤に頼って、新しい録音は極限まで抑えて、これは絶望的な状況である。新しい生き残りを考えないレーベルは早晩つぶれるしかないだろう。グラモフォン・フィリップス、デッカとかつてのライバルが一緒になって生き残りをはかるユニバーサルも同じだ。大きいレーベルほど危機が迫ることに気が付きにくいようで、まだ危機感はなさそうだ。ソニーにしてもEMIにしても同様のようだ。
ナクソスの新しいストリーミングの試みは、欧米では一定の成功を収めているようだ。確かに所有欲に駆られた人間でなく、ただ聞いてみたい、楽しみたいというだけなら、これでも良いのかもしれない。また図書館などでの活用もあるかも知れない。
一流メーカーのものよりもずっと色々と揃っているが、演奏が少々?のものもあって、結局あんなものかというところもある。
iTuneのストアも新しい動きだったが、映像がポピュラー系では人気なのだそうだ。クラシックでもあれば別に困らないが、それなら私にはスカパー!がある。同じような番組の再放送が多いのは困ったものだが、そのおかげで見逃すことも少なく、今はHDに撮り貯めてあとでDVDにするという方法で、随分多くのソフトを私も揃えつつある。
時代の変化を感じさせるところである。昔はクラシックの音楽番組なんてなかったのだから。NHKだけが、私たちのような少ない需要に応えてくれていたのだが、クラシカ・ジャパンやスカイA、シアター・ヴィジョンが色々と放映してくれるおかげで、スイス・イタリア語放送管弦楽団やトーンハレ管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団などの演奏会を家で見る(聞く)ことができるようになった。
また、先日はアルバン・ベルク四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲放映やバーンスタインの70年代のマーラー全集の連続放映があり、年末にはクライバーの「こうもり」「薔薇の騎士」「カルメン」なども放映される上、アバド、バーンスタインになんとクレンペラーのベートーヴェンの交響曲全曲が年末三日間(明日から)放映とくるのだから、本当にHDの残量が気になる今日この頃である。
ヨーロッパの素晴らしいオルガンを紹介する番組や音楽学校などのドキュメンタリー、あるいは宗教音楽(ルネッサンス以前の)などの紹介があれば、私としてはとても嬉しいものだが・・・。

しかし、カルロス・クライバーの指揮の素晴らしさ!!エーベルハルト・ヴェヒターのエイゼンシュタインの可笑しさは素晴らしい。私としてはヘルマン・プライの演技がとても面白かったが、この老練なヴェヒターの楽しい演技にも魅了された。ロザリンデはちょっとチャーミングさに欠けるか・・・。パメラ・コバーンとしうソプラノだが、貫禄はある。しかし白眉はブリギッテ・ファスベンダーのオルロフスキー伯爵だろう。このズボン役をファスベンダーはニヒルに演じきっていて、まったく見事だ。
そして、オペラにもかかわらず時折挟まれるカルロス・クライバーの指揮姿!!もっと見ていたい気になるのは私だけではないだろう。
これが、放映されている「スカパー!」は凄いとしか言いようがない。全て、ふつうに売られているソフトなのだ。良いのかなぁと心配しながらDVDにチャプターをつけて焼いている。音も良いし、後は映像がちょっとくたびれている程度。これは仕方ないか。
by Schweizer_Musik | 2005-12-28 10:32 | 日々の出来事
本日、ようやく・・・
本日、ようやくADSLからB-フレッツに移行し、インターネット環境がものすごく快適になった。人間は一度快適な環境を体験してしまうと、元へはもどれないもののようだ。速いということを初めて体験した気がする。昔ADSLになった時はそれほど感動しなかったが、これは大分違う・・・。

と言いながらも、ネット・サーフィンして遊んでいる暇もなく、原稿のチェックで忙殺されつつも、スカパー!をはじめとして年末・年始の見たい番組が目白押しで、録画しているのだが、もうHDがいっぱいで、どうやってあれを見るのだろう。自分でもあきれる始末だ。
バーンスタインのヤング・ピープルズ・コンサートの面白さは抜群だ。本にもなっているし、昔、研修会のネタによく読んだので、字幕を見なくても大体何を言っているのかわかるので、原稿のチェックをしながら聞いて(見て)いた。一日五話で、5日で全て放送してしまうようだ。後三日・・・。しかしこのバーンスタインという人の考え方は実に理路整然としていて気持ちが良い。オーケストレーションについてなんていう話は、専門家向けではないが、とてもよくまとめてあって、あんな面倒くさい話を、素人相手用にあれだけわかりやすく説明するのは、容易なことではないと思う。
by Schweizer_Musik | 2005-12-27 17:21 | 日々の出来事
本の推敲は・・・ああ疲れた。
のんびりと過ごしているのではないが、クリスマス会を家族でする。昼間からボージョレーを飲み、完全に一日を休日にしてしまった。
朝から郵便局にYahoo!のオークションで買ったものの代金を送金しようとして、家族から「今日、日曜よ」と言われて、全く曜日の感覚を失っている自分に気付く。
朝から、宗教改革をようやく終えて、ロマン派の時代へとペスタロッチの話からネーゲリへと進む。すでに書き上げたものを資料に照らし合わせて、年代などの不正確な記述を直したり、本の趣旨から離れた記述部分をカットしたりという作業をしているのだが、これが意外なほど時間がかかる。
午後は久しぶりのワインのために使用不能。M-1の敗者復活戦を見ながら、結局就寝。夕方になってようやく起きる。
by Schweizer_Musik | 2005-12-25 19:28 | 原稿書きの合間に
細川俊夫氏のテネブレを聞く *****(特薦)
細川俊夫氏のテネブレを聞く。1993年に書かれたというこの作品を聞きながら、彼の師であるクラウス・フーバーの作品のいくつかを思い出していた。
ラテン語のテキストによるイエス・キリストの死を歌ったというこの作品は、神秘的な持続する響きの上に解体されたラテン語のテキストが、まるで永遠に続く受難と祈りの響きであるかのように心を直撃する。
児童合唱としては極めて困難な作品であろう。指揮した長谷川冴子氏の卓越した手腕に全く恐れ入る他ない。見事だ!そして東京少年少女合唱隊の子ども達の素直で豊かな感受性と大変な技量と努力がこの録音をもたらしたものと考える。合唱団のイタリア公演の時のライブ録音なのだろうか?ボローニャのサンタ・マリア・デラ・カリタ教会での録音と書かれている。
たった13分あまりの時間で、私は全く打ちのめされてしまった。細川俊夫氏の音楽の凄さを思い知らされたところだ。
他の作品もあったのだが、これを最初に聞いて、しばらく何も聞けないほどになってしまった。この凄い一枚を推薦とか言うのもおこがましいものだが、無印ではあまりに失礼であろう。したがって特薦としたい。しかし、私はまだ一曲しか聴いていない。時間がないのではない。あまりの重さと深い感動に、続かなかっただけだ。感謝!!

fontec_FOCD3420_細川俊夫作品集 音宇宙VI バビロンの流れのほとりにて
by Schweizer_Musik | 2005-12-23 17:08 | CD試聴記
イサークのミサ曲を聞く
イサークのミサ・アポストリス(使徒のミサ)を聞く。タリス・スコラーズのGimell盤である。美しい。こんなに美しい音楽がこの世にあって良いのだろうか。ピーター・フィリップスの指揮するタリス・スコラーズはいつものように冴え渡った歌いぶりである。バロック音楽の出現で最も大きく変わったのは、拍子感だろう。何しろ古い音楽は拍子がない。いや無いのではなく、バロック以降の単純化された拍子ではあらわせないものであるのだ。言葉の韻律とそれは密接に結びついているように思われるが、私にはそこまで判断できるほどのラテン語の知識も、ドイツ語の知識もなく、ただ何となくという程度の話ではあるが。大体四拍子を基本にとっていけば、あまりはずれてはいないようだが、それでも今日のような強拍と弱拍にわかれた明確な拍子感はない。
このおかげで、フィナーレという楽譜作成ソフトでも、なかなかこの時代の音楽を表記するのは難しい。結局手書きが一番簡単という次第。拍子も小節線もないのだから・・・。
イサークは、ウィーンのマクシミリアンに仕えた宮廷音楽家としてゼンフルの師匠にあたるフランドル楽派の音楽家。「インスブルックよさようなら」という曲は比較的よく歌われるので、ご存知の方も多いのではないだろうか?
このGimellもナクソス・ミュージック・ライブラリーに参加している。何とも嬉しい話だ。ダウンロードして外でも聞くというわけにはいかないが(どうしてもそうしたいのなら、MDにでも録音して出かけるしかないだろう。しかし有り難い話だ。
by Schweizer_Musik | 2005-12-22 08:22 | ナクソスのHPで聞いた録音
ニュー・グローブ音楽事典・・・欲しい!!
学校の帰り際、時間が少し早かったので資料室でニュー・グローブ音楽事典で色々と調べ物をしていたが、あれは凄いものだ。こんなことまでと、本当に感心するばかりだった。
ノトケルとその周辺を調べていたのだが、訳がちょっとわかりにくいと思うことと、調べると更にあれもこれもと次々と調べたいことが出て来るのが悩みだ。
あれがもっと安かったらと思う。ネットで使うこともできるらしいが、ネットの年間の料金が22万円!!一桁違う!
そのものを買うといくらかかるのだろう。百科事典の比ではない。古本でこの前出ていたが、33万円だった。とてもとても買える代物ではない。しかし、あれは良い物だと思う。
図書館などでは絶対置いておくべき一冊であろう。
必要なところだけコピーしたが・・・。
by Schweizer_Musik | 2005-12-20 21:55 | 日々の出来事
バッハのカンタータを聞きながら
バッハのカンタータについてyurikamomeさんが書かれてあったので、ふと思いついたことを書くことにした。
カンタータはバッハの宗教音楽の教科書みたいなところがあって、バッハについて関心があるなら避けては通れないところだと思う。例えば二声のためのインヴェンションを習う程度でも、底知れないバッハの奥深さがその向こうに見え隠れしていることを、このカンタータから学ぶことができる。
バッハの場合に限らず、バロック以前の音楽の多くが、様々なフレーズに聖書の場面を象徴的に描いていて、宗教と音楽が密接に結びついていたことがわかる。私は今、150番「主よ,われ汝をあおぎ望む」を聞きながらこれを書いているのだが、音程の大きく開いたところで、キリストの死の場面を、あるいは半音階でフレーズが下がっていく場面で、ゴルゴタの丘に登るイエスが浮かんでくる。
完全に私もわかっているわけではないが、「あれっ」と思って歌詞カードを確認すると、そうした言葉がそこにあるのに驚かされることもしばしばある。
私など、まだまだバッハがわかったなどと言えたものではないが、少しずつわかるように努力していきたいものだと思っている。

しかし、この鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏の素晴らしいこと!!カンタータはこれで決まりか?リヒターは全集ではないし、曲によっては少し重く感じることも多いので、最近は鈴木雅明のBIS盤をとりだすことが多い。

J.S.バッハ作曲、カンタータ第78番「イエスよ、汝わが魂を」
by Schweizer_Musik | 2005-12-19 09:36 | 原稿書きの合間に