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ハリウッド四重奏団でラヴェルの序奏とアレグロ他を聞く
四年あまり前にTestamentから復刻されたフェリックス・スラトキン他が演奏するラヴェルの序奏とアレグロが、なんとナクソス・ミュージック・ライブラリーにも復刻されていた。ちょっと悔しいような、嬉しいような…。
動物の謝肉祭のところでも触れたのだが、この演奏が彼らとの出会いだった。私はTestamentのCDを持っているから別に今更ではあったが、復刻の状態を確かめるためにも聞いてみた。
TestamentはCapitolにあったマスター・テープを使っているのだろうか?詳しいことはわからないけれど、とても良い復刻であったけれど、ナクソスの復刻もほぼ同程度のレベルでちょっと驚いた。ノイズのレベルは少し多いように感じたけれど、普通に聞くのに全く問題はない。
1951年10月末の録音というデータはナクソスにはないけれど、それはマニアにとって重要でも音楽を聞く者にとっては大した問題ではない。
しかし、なんという演奏だろう!序奏とアレグロは他にカリオペ・レーベルの室内楽全集の演奏とマルティノン指揮シカゴ交響楽団の録音が良かった。他はあまり気に入らず、どうも難しい曲の一つである。
その中で、最も録音の古いこの演奏は、モノラルということを除けば、最高のパフォーマンスではないだろうか?
ドビュッシーの神聖な舞曲と世俗的な舞曲は弦楽オーケストラとストックトン女史によるハープで演奏される。これまた優雅でありながらも、キリリと引き締まったタッチの演奏で、雰囲気重視の人にはちょっと角張った印象を与えるかも知れない。
が、ドビュッシーは生前トスカニーニの指揮を高く評価しており、こういうスタイルは意外とドビュッシーの意図に沿うのではと私は考えている。
この演奏で聞くと、この作品が古典的なまでにがっちりとした構成を持っていることに驚かされる。
続いてシェーンベルクの淨められた夜が入っているが、これもTestamentからずいぶん前に復刻されていて、これもナクソスの録音はノイズが多いものの解像度などでは特に遜色がない。大変立派な復刻となっている。
演奏は…、もうこれが最新録音だったら決定盤であっただろう。古くても、モノラルでも良いという人ならば、これだけ持っていても困らないのではないだろうか。
CD化されていない、ナクソス・ミュージック・ライブラリーだけの音源なので、個人的に所持することはできないけれど…。
良い演奏だ。検索のページをクリックし、カタログ番号のところに9.80と入れて検索をかけると出て来る。37ページ分もあり、このところ急激に充実しているが、これはニュー・リリースの情報にないので注意が必要だ。
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写真は今日の日の入りの様子である。久しぶりに富士山がくっきりと見え、その右側に沈む夕陽を望むことができた。暖かな春の夕であった。
by Schweizer_Musik | 2008-04-01 19:47 | ナクソスのHPで聞いた録音
イストミンの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番
ナクソスの9.80000番台の録音を聞き始めたところ。このところ、こうしたお馴染みさんの曲目はご無沙汰で、昨日ベートーヴェンを聞いたのはちょっと久しぶりという感じで、少し息抜きというわけではないが、お馴染みさんの曲をつれづれに聞いている。
サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の流れのままに…である。
今、ユージン・イストミンのピアノ、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の共演でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がかかっている。
メールの返事を書いたりと、ゴチャゴチャしたことをやっていたのだけれど、これがかかってちょっと手が止まってしまった。今、曲がようやく終わったので再び現実に戻ったのだけれど…(笑)、いや凄い…。イストミンの録音ってアイザック・スターンと共演したものやカザルス音楽祭でのとても音の悪いライブ録音でのいくつかのアンサンブルのピアノぐらいしか聞いていないから、こうしたロマン派の直球勝負のような協奏曲ものは珍しいと思い聞き始めたのだ。正直大して期待していなかった。だからそのギャップに驚いた。

オーマンディの指揮するオケもなかなかの熱演である。冒頭のピアノによる鐘の響きは実に力強く、これほどの強靱さを聞いたのはあのリヒテルのグラモフォン盤以来だった。
全体に情緒に溺れるようなことはなく、どちらかと言えばカラッと乾いた印象である。ウェットな迫り方をしないので、私などはとても具合が良い。
と言っても表現は極めて強靱でカンタービレも息が長く、緊張感が途切れることは全くない。
終楽章は特に優れている。オーマンディの合わせ上手はよく知られているが、この録音でも完璧なオーケストラ・コントロールで聞かせてくれる。
オケの特に弦などの美感に欠ける点が惜しいところであるが、こうした点はさすがに最新の録音にかなわない。でも一筆書きの勢いがこの録音にはあり、その生命力の強さはかけがえのないものであると思う。
by Schweizer_Musik | 2008-04-01 13:48 | ナクソスのHPで聞いた録音
スラトキン指揮の動物の謝肉祭他…凄い名演だ!!
LP時代に、それこそ必死で探したものの、とうとう見つからなかった一枚が、フェリックス・スラトキン指揮コンサート・アーツ管弦楽団によるサン=サーンスの「動物の謝肉祭」だった。
彼らが演奏したラヴェルの「序奏とアレグロ」にすっかり魅了され、スラトキンの録音を探しまくっていた時、この録音の存在を知り、ずいぶん探したものの、とうとう見つけられなかった。
住んでいたのが博多で、今のように情報が無かったことも一因であろう。
で、これが、ナクソス・ミュージック・ライブラリーでひっそりと復活していたのだから驚いた!!

サン=サーンス:動物の謝肉祭:イベール:ディヴェルティメント(F.スラットキン)(1953-1954)

1953〜54年の録音で当然モノラルで、恐らくは板起こし…。録音状態はそれほど良いとは言えないけれど、まさに目の覚めるような名演。この曲にそれほど多くを求めてはいけないのかも知れないが、やはり凄いことになっていた。
ピアノがヴィクトリア・アッラーとなんと作曲家のハリー・サックマン!これが上手いのなんのって…。サン=サーンスという人はピアノがリストばりに上手かったそうだ。だから彼のピアノ曲はとてつもなく難しい。
しかしこのスラトキン(レナードのお父さん)の仕事は本当のプロ中のプロの仕事である。ハリウッド四重奏団でヴァイオリンを弾いていた彼は、一流のヴァイオリニストであり指揮者であった。それも超がつくほどの…。
スラトキンやカーメン・ドラゴンは日本では過小評価され過ぎているように思う。
ついでイベールの「ディヴェルティメント」も入っているのだけれど、ステレオ録音であれば決定盤であろう。
しかし、あの単純なスコアから、どうしてこんな音を出すことが出来たのだろう…。桁外れの名手たちである。これを聞くと他の演奏が聴けなくなってしまいそうだ。ともかく私はこの2曲については他の録音を捨てても全くかまわない。
いや、参った!!ぜひ一度ご賞味あれ!!
by Schweizer_Musik | 2008-04-01 10:08 | ナクソスのHPで聞いた録音
ショパンの合唱作品…聞いてみたい!
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古来、ヨーロッパにおける修道院は地域の文化センターの役割を果たしていた。学校でもあり、図書館でもあり…。スイスのサンクトガレンの修道院付属の図書館など、一歩踏み込んだらその凄さに誰もが圧倒されることだろう。
ショパンがジョルジュ・サンドと一冬を過ごしたマヨルカ島のカルトゥシャ修道院もそうした役割を果たしていたことは想像に難くない。
現在はスペイン領のこの島は、日本人にとってのハワイのような場所だそうで、ヨーロッパの人達には人気があるそうだ。ショパンとサンドはその走りだったのだろう。
ところで、その修道院で書かれた作品として名高いのは「雨だれ」である。ショパンは几帳面な性格だったようで、作品もほぼきちんと浄書されて残されている。そのほとんどがピアノ作品であり、ピアノ以外を用いた作品と言ってもわずかにピアノ協奏曲が2曲、そしてピアノ三重奏曲、チェロ・ソナタがそれぞれ一曲、そして小品が何曲かと歌曲が全てで、いずれにもピアノが入っている。だから無伴奏の合唱作品などはただの一曲も残っていない(と思われていた…)。
そのショパンの小さな宗教的な合唱作品がこの修道院の書庫から発見されたそうだ…。無伴奏で聖母マリアを讃える歌で、ほんの2ページほどの小品だとか。
和声は勉強したはずだし、ショパンも教会でコーラスを体験しているのだから、合唱作品が残っていても良さそうなのに、生前にはただの一曲も、公表されなかった。
病気がちだったショパンが、療養に訪れたマヨルカで、神に祈るために書いたのだろうか?生前に演奏された(歌われた)という記録は残っておらず、何故それが秘匿されたかもまだ明らかではない。そうしたことは今後の研究の成果を待つことにしよう。
このショパンの唯一の合唱作品は間違いなく、今年の夏のヨーロッパの話題となるだろう。
毎年修道院で開催されているショパン・フェスティバルで披露されるとかで、今年の目玉となること間違いなしだ。

ところで上の写真は今朝の我が家からの眺望である。かなり寒かったけれど、雨上がりの今朝はとてもきれいで、朝焼けのほのかな色温度の低い赤が、空の透明感のある碧と見事に対比していた。
やはり早起きは何とかの得…である。四月一日、新年度の始まりがこんな良いお天気でスタートとなったことを心から喜びたい!
by Schweizer_Musik | 2008-04-01 06:35 | ナクソスのHPで聞いた録音