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スケーターズ・ワルツの編曲が終わった
スケーターズ・ワルツは午前中に終わる予定がずれ込み(飯を食って、昨日留守録しておいたブッフビンダーのモーツァルトの協奏曲(ウィーン・フィルを弾き振りしているもの)を見たりしていたら、次第にイライラしてきて(あんな変な音楽をやる奴だっのだろうか?)食後をつぶしてしまい、そのまま昼食となってしまったためである。コーダ(と言っても100小節あまりあるのだからなかなか手強い…笑)もなんとか今日終えて、先ほど依頼主に楽譜を送ったところである。
変則二管で金管がトランペット一本とホルン二本ということで、総動員のスコアになってしまった。おかげで譜めくりのことなど、仕上げで色々と考えないといけないが、軽く見直したところ、大体大丈夫なようだった。
大体、オリジナルのスコアがどこにあるのか知らないが、細かい点で演奏によってアレンジが微妙に違うことを発見してから、録音を聞いてそれに合わせるようにスコア・メイクするのを止めて、自分の考えで書くことにしたことで、結構、楽しい仕事となった。私にはちょっとしたリクレーションであった。間にうんざりするような仕事もあり、これは良い気晴らしだった。
明日は久しぶりの津田さんのコンサートである。またまた楽しい一日となるだろう。
by Schweizer_Musik | 2009-09-30 19:43 | 日々の出来事
昨日のコンサート
何かと忙しく、結局ネットにつなげないまま、昨日は学校に出かけ、会議の後、我が校のオーケストラのコンサートを聴く。
横島勝人指揮ではじめにレオノーレ序曲第三番。勢いのある演奏で、細かいことは気にするな…的な部分もあるけれど、力強く説得力満点だった。フルートを担当したTくん、なかなか健闘していた。オーディションでトップを獲得した彼の音は柔らかく、それでいて気合いの入ったオケでちゃんとぬけてよく聞こえた。プレッシャーのかかるパートを見事に演奏したことに拍手!!来週はレッスンでまた会おう!!

2曲目は小川万里江のピアノ(第37回フランス音楽コンクール一位の卒業生)によるベートーヴェンの第4番の協奏曲。協奏なのだからもっと暴れても良いのではという感じもあるし、この革新的な作品を若い彼女はのびのびと演奏して聞かせたことに驚く。年輪を重ね、解釈をぜひ深めていってほしいものだ。この作品にこめられた驚くべき創意、インスピレーションを汲みつくすというのは巨匠でも難しいのだ。
冒頭のたった6小節たらずのソロだって、あれを弾き終えて、くたくたになってしまったピアニストがいるほど、技術的には簡単でも演奏するのは超絶的に難しい部分なのだ。巨大な作品のすべてのきっかけをたった一人でささやくようにやらなくてはならないのだ。大向こうを唸らせる、見得を切るようなものならばなんということもないが、これは厳しい。
同じベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の開始部と同様に技術的な優しさに対する演奏の難しさでは際だっている部分だと思う。
こういった部分の深まりと協奏曲をはじめ室内楽などの経験をたくさん積むことで、より小川さんのピアノ演奏を深めていってほしいと思う。しかし、かつて私の授業を受けていた時のつまらなそうな表情と違い(やっぱり楽譜を書くという作業はつまらないものなぁ…)活き活きと音楽している姿は清々しく、大変うれしく思った。
ところどころオケと合わないところもあったけれど、全体としては彼女が一人のピアニストとして歩き出していることがよくわかった。大いにエールを贈りたい。がんばれ!!
後半はオケのみでカルメン組曲から抜粋、そしてスメタナの「モルダウ」、アンコールはもう聞きたくない(笑)「アルルの女」からFarandoleであった。
どれも勢いのある説得力抜群の演奏で、学生オケとしては上出来ではないかと思う。ただもう少し精緻な響きがほしいし、モルダウの最後の弦だけが残る部分での高音域のピッチが合わなかったことなどが悔やまれる。
第1プルトでコンマスの舘市先生の隣に座っていたNさんは風邪から肺炎になって、今日は点滴をしてステージに上がっていたのだが、彼女の成長に著しいものを感じた。それは先日の彼女の作品の音だしの時にも思ったことである。
二年前から知っているし、今年から私の作曲のレッスン生でもあるNさんのこうしたがんばりも嬉しい出来事だった。(体調の管理にはぜひ気をつけて!!)
こんな楽しく嬉しい演奏会の後は、ヴァイオリンやヴィオラを弾いていた卒業生や聞きに来ていたEOのEさんTさん、サックスのM君たちといつもの飲み屋でアフター・コンサートを楽しんで帰った。
しっかり午前様であったが、今朝はとても良い気分である。良いコンサートと楽しい仲間と…。夕べは遅かったのだけれど、六時には仕事をはじめて、今一息をいれているところ。さて朝食をとったら昨日久しぶりに取り組んだ「スケーターズ・ワルツ」のスコアにかかろう。午前中には終わる予定。パート譜作りはいつもの「N企画」で、担当も昨日飲んだ人に決まったので、さっさと終えて楽譜を送らねば…。まだまだたくさんあるのだから。
ちなみに今回請け負っているアレンジはコンサートの大半なので、分量が異常に多い。実入りはないが…(笑)。
by Schweizer_Musik | 2009-09-30 08:49 | 日々の出来事
ベーム指揮VPOのプラハ交響曲
タイトル(or 曲名) : モーツァルト/交響曲 第38番 ニ長調「プラハ」
出演者 : カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
DVD番号他 : スカパー!(クラシカ・ジャパンによる放映)

いつごろのものか判らないけれど、多分七十年代はじめのものだと思う。ベームがずいぶん若く見える。とは言えステレオ録音でカラーのフィルム撮影であるので、ちゃんとした録音セッションであり、演奏会のライブでは当然ない。
この曲についてベームの演奏なら、私はベルリン・フィルとの全集版を聞いているが(VPOとの録音はあったはずだが記憶がないので、ちょっと怪しい…)、このウィーン・フィルとの映像はその印象をしのぐとまではいかないまでも、これまた名演であることは間違いない。
コンマスは誰なのか、ずっと後ろ姿なので、判然としない。ウェルナー・ヒンクではとも思ったが、単なる推測の域を出ない。が、そんなことはともかく、当たり前のことではあるが演奏がとても良い。どこもかしこも魅力に溢れているのだ。なによりもウィーン・フィルが自分たちの音楽をのびのびとやっているように感じた。あのガミガミと五月蠅いベーム翁の棒でこんなに伸び伸びやれるウィーン・フィルって凄いなぁと思う一方、こういう演奏をさせられるベームの手腕にも今更ながらに感心したし、こういう音楽姿勢こそ大切なのではないかなどと穿ったことを思ってみたりもしたのである。
最近はやたらとコントロールの効いた指揮が多く、また確かに音楽的でもあるが、感興のノリが今ひとつで、こぢんまりまとまっていることが多いように思う。
これについてはクナッパーツブッシュによるジークフリート牧歌の映像を見たときに書いたのでくり返さないが、ベームにも同じことを感じたことを告白しておこう。
しかし、見にくいベームの指揮に比べて、クナッパーツブッシュはなんと見やすくはっきりしていることだろう。彼はやろうと思えばどんな曲だって振れたに違いない。ベームが近現代が下手だったというのではもちろんないが(彼のアルバン・ベルクやリヒャルト・シュトラウスのオペラの指揮を思えばそんなことがないのは自明のことだ)、打点が慣れないとわからないだろうなと思った。
だから、同オケを降り続けたのであろう。はじめてのオケではこうはなかなかいかなかったと思われる。
by Schweizer_Musik | 2009-09-27 22:35 | DVD/スカパー!視聴記
バーンスタインが指揮した幻想交響曲
タイトル(or 曲名) : ベルリオーズ作曲 幻想交響曲 Op.14
出演者 : レナード・バーンスタイン指揮 フランス国立管弦楽団
DVD番号他 : スカパー! クラシカ・ジャパン放映

1テラ・バイトのハード・ディスクが一台クラッシュしたため、一日棒に振ってしまった。何とか復旧したが、バックアップをとりなおしたり、全く忙しいこととなってしまった。
一日中、バックアップ・ソフトが活躍して、まだその最中であるが、まぁ夜になってようやく人心地ついたところ。
今日やる予定のスケーターズ・ワルツは明日にまわして、とりためたビデオを見ることにした。
バーンスタインのこの演奏はたしかLDで持っていたものであるが、(かすかな記憶なのでかなりあやしい…)こうして聞いてみて1970年代半ばのバーンスタインの精力的な指揮がとてもよく出ていて、魅力一杯の演奏となっている。フランス国立管弦楽団の演奏もなかなか良いもので、かつて確かマルティノンとやったこのオケの録音を聞いているが、あれも素晴らしいものだった(放送管弦楽団名義の時代だったようであるが、同一団体)。
髭面であるが、若々しいバーンスタインの劇的なアゴーギクで深い隈取りの説得力抜群の演奏は、昔のニューヨーク・フィルハーモニックとの録音を彷彿とさせるものである。
画質を落としているので(LPモードでの録画)やや音も画像の惚け気味ではあるが、それでもこの強烈な演奏の魅力はよくわかる。
第1楽章からとても魅力に溢れているが、やはり最後の2つの楽章は最高の演奏で、NYPとの演奏(たしか2つあったような期がするけれど…)をしのぐ名演だと思った。
派手なパフォーマンスはそのまま。指揮台の上で飛び跳ね、恍惚の表情を見せる彼に引き込まれるように演奏するオーケストラ。まさに一体となって音楽がうねり、鳴り響く瞬間をカメラとマイクがとらえたのである。
好き嫌いがあることとは思うが、一度は見ておいて損はないだろう。
by Schweizer_Musik | 2009-09-27 22:02 | DVD/スカパー!視聴記
グラスの弦楽四重奏曲 第3番「ミシマ」
作曲者 : GLASS, Philip 1937- 米
曲名  : 弦楽四重奏曲 第3番「ミシマ」(1985)
演奏者 : スミス弦楽四重奏団【イアン・フンフェアリー(vn), ダラー・モルガン(vn), ニック・ペンディーブリー(va), ディードレ・クーパー(vc)】
このアルバムは こちら

昨日も午前様でご帰還と相成って、今日は完全の撃沈された状態で、時々目を覚ましていたものの、午前中にちょっと一人レッスンをするために起きていた他は、延々と寝て過ごしてしまった。
過激な一日だった。ピアノの下手な私が大初見大会をしてアンサンブルをし、20曲近くを録音するという、無茶苦茶な一日の後にがっつり飲んだために、こうなってしまった。このところ飲み会が続いているので、今度の土曜日に出勤するまではちょっと節制しなくては…。
昨日とそれでも録音会が終わって、報告書などを書き終え、大体が終わってから飲み会までの時間がずいぶんあったので、その間に学校の近くのカフェでほったらかしになっていた「スケーターズ・ワルツのオーケストレーションを行った。1時間半ほどであったが、70小節ほど進めたので、集中すればあと半日もあれば終われそうである。
しかし、それにしてもこのところ忙しい…。

それにしても表記のこの録音であるが、大体ミニマル系の音楽は好きではないのに、まとまってナクソスにあるのを見つけて、つまみ食いのような気持ちで聞き始めたもの。
いや、これほどあからさまに普通の短和音などが出てくる、メロディー不在の音楽というのも若干抵抗があるものの、まあ何とか一聞き果せた(笑)…。
グラスはナイマンなどと同じように映画(それもかなり実験的なもの…らしい)で活躍している。「コヤニスカッツィ」など確かに面白いところもある。この「ミシマ」は三島由紀夫を題材とした日本未公開の映画の音楽として1985年に書かれたものである。
クラシック音楽のポップ・カルチャーというのが私のミニマルへの理解なのであるが、だから平易な和音と平易なリズムの組み合わせが行われるのだ。
この音楽は厳密にミニマルとはちょっと距離がある部分もあるが、彼が次第にミニマルから深化していく過程にあることを示唆していると思われる。
ミニマルが持つカタルシスがここにはない。そうではなくミニマムな音楽に簡潔にまとまっていることで一つ一つのアイデアが未成熟なまま提示されているように思われるのだ。そんなものと言えばそうなのだが、それ故に、私は一曲で厭きてしまった…。いや新しい表現の世界を探るなどということは難しいものである。
by Schweizer_Musik | 2009-09-26 22:00 | ナクソスのHPで聞いた録音
アバド指揮ルツェルン祝祭による2007年のライブ
タイトル(or 曲名) : マーラー/交響曲 第3番 ニ短調 (1893-96/1906改訂)
出演者 : クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団, アルノルト・シェーンベルク合唱団, テルツ少年合唱団, アンナ・ラーション(contralt)
DVD番号他 : medici arts/2056338

ホールは昨年マウリツィオ・ポリーニのショパンと現代音楽のコンサートをここで聞いたが、実に素晴らしいホールで、エントランスから中の様子に至るまで、全く想像以上の美しさで感動したものである。
特にコンサートを終えてホールから出てくると、ルツェルンの旧市街がまるで巨大な絵画のように広がるのは感動以外の何物でもなかった。
ここはルツェルンの念願の本格的な音楽センターである。建築の価値がどれほどのものか、私などには判らないが、ここは訪れた新しいホールの中でも群を抜く素晴らしいホールだった。音楽愛好家ならばぜひ一度訪れてみたら良いと思う。
このホールで、一昨年開催されたアバドのコンサートの録画である。6番「悲劇的」はスカパー!で放映されたのを見たが(レポートはこちら)、あれも名演だったがこの3番もまた凄い名演である。ミヒャエル・ヘフリガー氏が音楽祭のアーティスティック & エグゼクティヴ・ディレクターに就任してから、昔、スイス各地のオーケストラのトップを集めて組織していた音楽祭特設オーケストラを世界各地の一流オケから奏者を招聘するスーパー・オーケストラを組織する方法で現代に甦らせたのであった。
ちなみに、ハーゲン・カルテットとアルバン・ベルク・カルテットのメンバー、あるいは有名なザビーネ・マイヤーや吉野直子、チェロのナタリア・グートマン、ヴィオラのウォルフラム・クリストといったメンバーにマーラー・チェンバー・オーケストラが加わっているのである。コンマスはコーリヤ・ブラッハーで、あの作曲家の息子で1993年以来ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンマスである。もう一人、ブレウニンガーもベルリン・フィルのコンマス。第2ヴァイオリンのトップにはマーラー・チェンバー・オーケストラのコンマスのラファエル・クリストが座っているが、若い彼は今後更に大きく飛躍するのではないだろうか?
一人ずつ語り始めたらきりがない…。いや凄いメンバーを集めたものてある。ミヒャエル・ヘフリガーとアバドの人脈の凄さがわかる…。
最初の祝祭オーケストラはブッシュ・カルテットのメンバーが弦の各セクションのトップに座り、アルトゥーロ・トスカニーニが指揮していたのだった。大体ナチがオーストリアを併合し、ザルツブルク音楽祭から閉め出された音楽家たちを集めて始まったこの音楽祭は、そのナチが象徴的に使いまくったワーグナーのゆかりの地で産声をあげるというちょっとした歴史の皮肉もあるのだが、それらについてはこちらをどうぞ。
しかしさすがにスカパー!の放映を画質を落として録画して見たりしているのと違い、製品版の映像は美しい(当たり前だ!)。音もとても美しく、聴き応え、見応えがある。大病から復帰して2003年だったか、ヒョロヒョロのアバドは痛々しかったが、ここに見るアバドは確かに歳はとったなぁと思うが、厳しさが全面に出ていて実に精悍である。
演奏について、私ごときが述べるまでもなく、全盛期のアバドが戻ってきたと思う。最初のウィーン・フィルとの録音をさらに深めたような素晴らしさで、ルツェルンでもチケットが手に入りにくい公演であることも納得できる演奏である。これなら無理して行っても良いかなと思う。来年あたり考えてみようかな。

今日も多忙な一日となりそう。今週と来週は何かと多忙である。
by Schweizer_Musik | 2009-09-25 09:51 | DVD/スカパー!視聴記
ゼレンカのエレミアの哀歌
作曲者 : ZELENKA, Jan Dismas 1679-1745 ボヘミア→独
曲名  : エレミアの哀歌 (1722)
演奏者 : ルネ・ヤーコブス(c-ten)指揮 バーゼル・スコラ・カントゥルム, ギ・ド・メ(ten), クルト・ヴィトマー(bs)
CD番号 : DHM/BVCD-1621

ドイツ・ハルモニア・ムンディ原盤の古いCDである。録音は1982年11月22〜27日となっているからもう30年近く前の演奏ということになる。ルネ・ヤーコブスのカウンター・テナーも楽しめるが、彼が指揮するバーゼルのアンサンブルはあのヤープ・シュレーダーがヴァイオリンのトップに座るというもので、さすがに古楽の伝統豊かなバーゼルのスコラカントゥルムだけあって大変に美しい。
エレミアの哀歌はルネッサンス期にたくさん書かれたものだが、18世紀には減ってきて、古典派の時代には全く書かれることはなくなった。カトリックの伝統を守ったフランスやハプスブルクのお膝元のウィーンあたりでもっと書かれていても良いようなものだが、このゼレンカはドレスデンで活躍したボヘミアの音楽家ということで、ドイツの中にあってカトリックの信仰を守ったドレスデンでその最後の花が咲いたことはまことに象徴的ですらある。多分、ドイツ語圏で書かれた唯一の作品ではないにせよ、唯一の傑作となったのだ。
バッハやヘンデルよりも六歳上のゼレンカはヤン・フスがの改革の都プラハの近郊に生まれたが、イエズス会の学校で学んだこともあり、敬虔なカトリックの信仰に生きた音楽家でもあった。こうした点で同世代のアントニオ・ヴィヴァルディなどと共通する部分はあるが、彼のような斬新さはなく、保守的で穏健な作風である。
しかし、彼の音楽に漂う品格の高さは、極めて高い作曲技術による(驚異的な対位法の技術と和声の深い知識)ところ大で、極めて雄弁でもある。
これを聞きながら、カトリックのバッハとでも言いたくなってしまったが、この真摯な音楽を聞けば誰もがそう感じるに違いない。
哀歌だから短調の音楽が多いのは事実であるが、不思議な明るさに満ちているのもゼレンカの哀歌の特徴でもある。
歌うヤーコブス以下の歌手たちも実に巧みで、ゼレンカの深い信仰によって書かれた傑作を見事に歌いきっている。今は1000円で売られていて、まだ手に入りやすいと思われる。まだ耳にしておられない方で古楽に興味のある方はぜひ購入を検討されると良いだろう。大推薦の一枚。
by Schweizer_Musik | 2009-09-25 04:49 | CD試聴記
シティ・オペラのガラ・コンサート
先日、お会いしたソプラノの柳澤さんがやっているシティ・オペラのガラ・コンサートに出かけた。ゲストの福井 敬氏や柳澤涼子さんの出演されるコンサートということで、楽しみにして行ったのだが、神奈川フィルはフル編成でオペラのコンサートとしては超がつく豪華編成で、チェロの首席奏者の山本氏のソロも聞けて大満足であった。
福井 敬氏がいたおかげでそれほどでもなかったけれど、でもほとんどが女声でちょっと偏りがあるのが気になったところではある。
若い経験の無い人たちの歌には、今後おおいに研鑽を積んでほしいと思った。ガラ・コンサートの華やかさもあるが、はじめ15分、後半10分の日本の歌劇の歴史についてのレクチャーがあったのも驚いた。まとめてレクチャーをしたので、ちょっと長く感じた。各曲間で行うなどの工夫があっても良いのではと思う。
コンサートの後は朝香邸へ移動し、朝香パパと娘さんの誕生パーティーに参加。コンサートの打ち上げを終えてかけつけた柳澤さんも来られて楽しい夜となった。
沖縄の話や旬の話なども皆されていたが、やはり大人が集まっての時間で楽しく過ごすことができたのは、朝香パパと気配りの奥様の人徳故だと思った。みなさんに心から感謝!!
ついでに、私の下手な下手なピアノで、先日バーゼルで歌われた作品を、リエちゃん、そして柳澤さんが歌ってくださった。先日お会いした時に楽譜を差し上げると申し上げていたことによるが、こんなことになるのだったら練習しておけば良かった…。まさか初見で(ハミング程度であるが)歌われるとは思ってもみなかったので…。
いや盛りだくさんの一日で、帰りは朝香さんのご厚意でタクシーにて帰還となった。気がつくと日付変更線をはるかに越えていた。いや聞いた…飲んだ…食った…話した…。
by Schweizer_Musik | 2009-09-24 07:26 | 音楽時事
バレンボイムとWEDOメンバーによる「兵士の物語」
タイトル(or 曲名) : ザルツブルク音楽祭2007『WEDOモーツァルテウム』Vol.2
[演目]ストラヴィンスキー:兵士の物語
出演者 : [指揮]ダニエル・バレンボイム[演奏]ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラのメンバー、パトリス・シェロー(語り)他[収録]2007年8月モーツァルテウム大ホール「ザルツブルク音楽祭」

ソース : スカパー!(CLASSICA JAPAN)

一昨年の音楽祭での収録だそうだが、仕事をしながらかけていたらついつい見入ってしまった。面白い!!実に面白い。ストラヴィンスキーが自らの経済的苦境から逃れようと企画し、ヴィンタートゥーアのラインハルト卿から支援を引き出して、友人のスイスの詩人ラミュとともに作った傑作である。
過去にデーモン小暮閣下が語りをやった面白いものがあったけれど、このシェローの語りも雄弁極まりないもので、さすがと言うしかない。
バレンボイムも若い奏者たちを育てようとするかのように自然に音楽の流れにまかせるかのような演奏で、実に素晴らしいものであった。最近こうした音楽でやたらとキューを出して奏者の音楽しようとする心を踏みつけるような演奏に少々疑問を感じていたところなので、のびのびとした若い団員たちと縦横無尽のシェローの役者魂の爆発をバレンボイムがふわりと束ねていて、この人はこんな凄い名人になっていたのだと、びっくりした次第である。
そのままこの局をみていたら歌曲の演奏もあり、バレンボイムが譜めくりをしている場面に遭遇。後ろにバレンボイムがいる状態でピアノを弾くのは随分だろうなと思ったりしたけれど、ある歳になって若い人たちを育てる活動に真剣に取り組んでいる彼らの姿を見て、私もしっかりしなきゃと思った。ほぼ満席の会場もそんな若い音楽家たちののびのびとした取り組みを温かく見守り、そして大いに楽しんでいたようだ。私もつい仕事を忘れて楽しんだ。
日本で行われている音楽祭などでもこうした光景があったなぁと思ったりして、うれしくなった。さて、今日は横浜シティ・オペラのガラ・コンサートがあり、夜、ちょっとしたパーティーに行くのでここへの書き込みはこれでおしまい。明日と明後日は超がつく多忙な二日間なのでどうなることやら…。少しはまた痩せられるかな?(笑)
by Schweizer_Musik | 2009-09-23 10:41 | 音楽時事
追悼 神野 明氏
作曲者 : NISHIMURA Akira (西村 朗) 1953- 日本
曲名  : 2台のピアノと管弦楽のためのヘテロフォニー (1987)
演奏者 : 神野 明(pf), 佐藤 俊(pf), 外山雄三指揮 NHK交響楽団
CD番号 : KING/KICC 2015

神野明氏が亡くなられた。まだ61才だった。矢代秋雄のピアノ協奏曲をアメリカ初演するなど、現代音楽の紹介にも熱心だったピアニストで、教育畑でも教材のための録音なども多く行っておられた。私が昔、勤めていたヤマハのピアノ教材の模範演奏集も彼がやっていたことがあったが、それは実に見事な演奏でびっくりしたものである。
「ヘテロフォニー」は尾高賞を受賞した西村 朗の代表作の一つだが、極めて困難な演奏を神野氏は極めて鮮やかな演奏で聞かせている。いやこの曲の成功は彼の成果であった。このような逸材を得たことで、作品の真価がより深く伝わったに違いない。
ミニマルとリゲティ風の音群作法(この両者はポップ・カルチャーとシリアス・ミュージックの違いだけで、実は同じところにあると私は思っている)を融合させ、民族音楽的な強さを加えていった名作だと私は思う。濃密で不思議な艶やかささえ漂う音楽はさすがに傑作だ。
そしてそれを鮮やかに演奏した神野氏が亡くなられた。最近、お名前を聞かないなと思っていたのだが、お悪いとは知らなかった。合掌。
by Schweizer_Musik | 2009-09-22 23:02 | CD試聴記